ひめゆりの塔

糸満エリアで慰霊スポットといえば平和祈念公園とひめゆりの塔があります。でもここは観光スポットでもあるのでいつでも人がいっぱいです。静かにゆっくりと慰霊碑巡りをしたい人におすすめコースを紹介します!

まずは定番のひめゆりの塔へ

慰霊碑巡りをするのであれば、やはり定番のスポットにも足を運んでおきたいですよね?

そこでまずは定番の「ひめゆりの塔」に行ってみましょう。

ひめゆり学徒隊の慰霊碑

ひめゆりの塔は、沖縄陸軍病院第三外科があった壕の跡地に建てられています。

慰霊碑の名前は、この陸軍病院に配属されていたひめゆり学徒隊に由来があります。

ひめゆり学徒隊の「ひめゆり」は、2つの学校の学校誌の名前から付けられています。

沖縄県立第一高等女学校の「乙姫」と沖縄師範学校女子部の「白百合」を組み合わせたのがその由来にあり、当初は「姫百合」とされていました。

ですから植物の「ひめゆり」とは関係がありません。ちなみに漢字表記だったものが現在のような「ひめゆり」となったのは戦後のことです。

ひめゆりの塔の奥には納骨堂であった慰霊碑があり、同じ敷地内には「ひめゆり平和祈念資料館」があります。

ひめゆりの塔や周辺施設の廻り方は2通りあります。

オーソドックスなのは「ひめゆりの塔を慰霊→ひめゆり平和祈念資料館を見学」です。

ただ何度もこの場所に来たことがある私のおすすめは、「ひめゆり平和祈念資料館を見学→ひめゆりの塔を慰霊」です。

こちらの方が慰霊碑を前にしたときの想いがより深く感じます。

もっとも古いとされる戦没者慰霊碑【魂魄の塔】へ

戦没者慰霊碑

ひめゆりの塔のような戦没者慰霊碑は、沖縄県内に無数にあります。

ひめゆりの塔も1946年に建立されていますので、決して新しい慰霊碑ではありません。でも本島内にはもっと古く建立された慰霊碑があります。

中でも最も古いといわれているのが、ひめゆりの塔から車で約10分の場所にある「魂魄(こんぱく)の塔」です。

終戦後最も早く建てられた慰霊碑

千羽鶴

魂魄の塔は1946(昭和21)年2月に建立されました。

慰霊碑が建つ米須地区一帯には人の姿も景色も全てが消え、見渡す限り無数の犠牲者の遺体が広がっていました。

生き残った住民たちも戦後すぐに米軍の収容所に送られたため、この場所で亡くなった人の遺体はそのまま取り残されます。

あたり一面に散らばった遺骨の収集を始めたのは、摩文仁のテント小屋に収容されていた真和志村(現在の那覇市真和志)の村人たちです。

村長の呼びかけによって戦後復興のために野ざらしとなっていた遺体や遺骨を一つひとつ収集していったといいます。

最初は集めた遺骨は海岸沿いの自然洞窟に納め、そこを納骨所としていたそうです。でもあまりにも膨大な数の遺体・遺骨だったのでそこには収まりきりません。

仕方なく周囲を石で囲みその中に集めた遺骨を積み上げていきます。そのため最終的にはまんじゅうのような形になったといいます。そしてその場所は慰霊碑が建立され「魂魄の塔」と名付けられます。

この場所に納らえていた遺骨は琉球政府によって那覇市識名につくられた「戦没者中央納骨所」に移されます。 ただ納骨所があった場所は慰霊と平和を願う場所として引き継がれ、慰霊の日には全国各地から多くの参拝者がこの場所を訪れ祈りの時間を過ごしています。

魂魄の塔の周辺にはほかにも慰霊碑がたくさんある

魂魄の塔は、「沖縄戦跡国定公園」の中にあります。かつてこのあたり一面には長らく放置されていたおびただしい数の遺体・遺骨がありました。

今その場所に立ってもその景色がどのようなものだったのかを想像することはできません。

魂魄の塔の周囲にはほかにも慰霊碑があり、そのすべてがキレイに整備されています。

木々は美しく剪定され優しい木陰を作ります。道にはごみもなく、無駄な音も一切ありません。静寂の中で風が吹き抜けるのを感じます。

そんな園内を歩いているとたくさんの慰霊碑に出会います。

北海道出身者の慰霊碑【北霊碑】

沖縄から遠く離れた北海道の慰霊碑が魂魄の塔のすぐ近くにあります。

「沖縄になぜ北海道の戦没者慰霊碑が?」と思うかもしれませんが、実は沖縄戦・南方戦線で亡くなった犠牲者の中で(沖縄を除く)最も多かったのが北海道出身者でした。

犠牲となった北海道出身者の数は1万850人といわれています。

この慰霊碑に収められている北海道出身者の遺骨は約4万柱です。

慰霊碑は海に向かって建てられており、手を合わせるとその想いはこの地で眠る人たちの魂が生まれた場所に届きそうな気がします。

まるでお墓のような慰霊碑【島根の塔】

園内を奥に進んで行くと、静かな森の中に立つ慰霊碑があります。「島根の塔」です。

この慰霊碑を見ているといろいろなことがイメージに浮かびます。

私は最初「まるでお墓みたい」と思いました。ドーム型の囲いの中に納められた五角形の石碑。

私にはこの石碑が石棺のようにも見えて、古い沖縄のお墓をイメージしました。

実は沖縄の古いお墓には内部に棺を安置する場所がありました。そのこともあって私はこの慰霊碑を見てお墓を連想したのです。

でもこの慰霊碑は見る人によってもいろいろな感じ方が出来る場所だと思います。

私はこの場所を「戦没者の慰霊の場所」であると同時に「人がこの世を去ることの意味を考える場所」に感じました。あなたにはこの場所から何を感じますか?

最後はやはり定番の平和祈念公園へ

平和祈念公園

慰霊碑巡りの最期は、やはり「沖縄戦終焉の地」にある平和祈念公園へ行きましょう。

平和祈念公園には沖縄戦で犠牲となった人の名前を刻印した平和の礎があります。

国籍を問わず沖縄戦で亡くなった人の魂を慰霊するために建立されているので、出身地や国別に分かれています。

そしていつ訪れてもどこかで誰かがその石碑の文字を手でなぞっています。

その姿を見た時、あなたは今までとは違う感覚を覚えるはずです。

ここまでいろいろな慰霊碑をめぐってきたことによって、あなたの中で戦争と平和のイメージは変わったはずです。

だからこそこのコースでは、最後に訪れる場所として平和祈念公園を選んでいるのです。

また平和祈念公園には、海を見渡す丘の上に様々な慰霊碑が設置されています。

各都道府県別に慰霊碑が設置されていますし、一つひとつの慰霊碑に特徴があります。

緑に囲まれた静かな遊歩道を歩きながら、慰霊碑をめぐった一日の記憶を静かに整理してみてはいかがですか?

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